【文法】would / couldのニュアンスの違い

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鉛筆

みなさん,こんにちは。

今回は,WouldとCouldのニュアンスの違いについて紹介したいと思います。

 

僕はホストマザーにwouldとcouldの違いって何?って聞いたことがあります。返ってきた答えが「一緒…。」でした。日本語で言うと「(推量的な)〜だろう」という訳が両者で当てはまりそうですが,それにしても「一緒」はないだろうと思いました。そもそも単語が違うじゃないかと。しかし,当時英語力の無さからあまり強く聞くことができず,自分なりに「ニュアンスの違いは何だろう」「ホストマザーは何で一緒と答えたのだろうか」と考えはじめました。そこで導き出した僕なりの回答を紹介します。

 

それでは2つに分けて説明します。

willとcanを使う上での決定的な違い

 先に述べますが,この二つで大きく異なる点は『話者の意識が向かう先』です。

 これは単純にwill/canを使うときに,何に注目して話しているかということです

 「willは意思(意思が派生し,未来を表す)」「canは可能性」を表すように,もちろん意味は異なりますが,それだけ知ってるだけでは細かなニュアンスがつかめません。

 さらに,意味だけを覚えていると「日本語から英語への変換」から抜け出すことができず,スピーキングで伸び悩みます。

 それを克服し,スピーキングで日本語を介さず,頭の中の映像とwill/canを瞬時に一致させるためにも『話者の意識が向かう先』を知っておく必要があります

 「話者の意識が向かう先」を考える上で知っておかなければいけないことは,助動詞の所有者です。つまり「誰のwill(意思),誰のcan(可能性)」かということです。

 答えは,willの所有者は『話者』で,canの所有者は『主語』になります。

 つまり,あなたが英語を話すとき,自分の意思(予想)なのか,もしくは主語の可能性に焦点を当てているかを見分ける必要があります。

 例えば,1. He will play tennis this afternoon.と2. He can play tennis this afternoonの2文があったとします。

 1の文を言う時,話者である僕は,例えば彼から聞いたのか,他の人から聞いたのか場合によりますが,彼が来るという正確な情報をもとに彼が午後にテニスをすることを知っています。つまり,話者である僕自身の未来予想です。

 一方で2の場合,例えば欠員が出たけど,彼の午後の予定が空いていることから,彼なら午後テニスできるよということを話者である僕は知っている状況です。つまり,話者である僕は主語(彼)の可能性に焦点を当てています。

 このように,話者の意識が『自分の意思(予想)』か『主語の可能性』に向いているかを知ることで,文章のニュアンスの違いを理解でき,またスピーキング時にも自分がwill / canのどちらを使えばいいのか瞬時に判断できるようになっていきます。 

 will/canがwould/couldになったら?

 これらは『頭の中の映像が事実か想像か』という点でニュアンスが異なります。仮定法だとかそんな名前を覚えておく必要はありません!僕たちが頭の中で考える出来事は『全て実際の出来事(事実)か,もしくは想像の出来事か』の二つに分けられます。

 例えば,ifとwhenの使い分け。

 「彼女は雨が降ったらタクシーを使います」を英訳する時

 ifを使う場合は,話者の頭の中の映像は「想像」です。多分雨が降れば彼女はタクシーを使うというニュアンス。

 一方で,whenを使う場合は,すでに彼女がよく雨の日にタクシーを使っている事実を知っているため,雨が降れば絶対タクシー使うという,頭の中の映像は「事実」になります。言い換えると,実現可能性が極めて高い出来事とも言えます。

 また他の例として,目の前にちょ〜綺麗な・かっこいい人がいるとします。そして,自分がその人とデートするならあの店に行くかなと妄想するとします。

 その場合,I would take him/her to the restaurant.となります。つまり,あなたの頭の中は,あなた自身が描く想像の出来事(妄想)なので,wouldを使うということです。

 willを使った場合は,すでにデートの約束をこぎつけ,その店に行くことがはっきりしている状況です。つまり,あなたの頭の中は事実(実現可能性大)で満たされています。

 参考でcouldを使った場合の一例としてですが,他の人がすでにその人をデートに連れて行っていることを知り,少し意地を張ってお金があんまりないけど俺だったらもっと高いあの店に連れていけるけどな〜と想像する場合です。想像し,主語である自分の可能性に焦点が当たっているのでcouldになります。

 では,will/can,would/couldを整理したいと思います。

 まず,will/canは,話者の頭の中の映像が実現可能性の高いもの(事実)ときに使われます。

 例えばHe will come.は,話者は彼が確実に来ることを頭の中で描いています。またコーヒを頼んでホットかアイスどっち?と店員に聞けば,It can be both.どっちでもできますよ!と言われることがあります。これは店員の頭の中は,コーヒーという主語の可能性に焦点があたり,それがホット,アイスのどちらにでもなるという事実を頭の中に持っているということです。

 一方で,would / couldは話者の頭の中の映像が想像であるときに使われます。

 例えば,He would comeとなると,話者の頭の中は彼やったら来るんちゃうかな〜って感じで少し自信なさげのあくまで想像のニュアンスになります。もちろん文脈により仮定法にもなり得ます。

 また上記のコーヒーの例で,It could be hot.と店員に言われた場合,基本的にはアイスだけやけど,頑張ればホットにもできると思う,というようなニュアンスになります。

 つまり,ホットにできるという事実は持っていなくて,あくまで想像でできそうというニュアンスです。

 【参考】いい例と見つけたので共有します。僕がはまっているDesignated Survivor シーズン2 エピソード19の29分30秒あたりのシーンです。もしNetflixで視聴できる方がいましたら見てみてください。このシーンは,Aの親しい友人がもしかしたら裏切って,ある映像をハッキングしてリークさせたかもしれないとBに相談している場面です。

    A:Do you think she is capable of sabotage? Hacking into governmental and technological hubs.

    B:If you are asking me could she do it...yeah she is brilliant. If you are asking me would she?

 Aの話者の頭の中を考えてみましょう。

 couldを使った時,彼女の能力(可能性)を想像していることに焦点が当たっています。そのため「やれるかって言われたらと彼女ならできると思うけど…」という意味で,返答としてもshe is brilliant…となっています。

 一方でwouldを使った時,A自身の勝手な想像に焦点が当たっています。彼女はすごいいい人だという認識があるので,そんなことするだろうかというAの想像です。Aの能力には話者の意識が向いていませんね。よって,wouldが使われています。

 

 以上が,僕なりのwould/couldのニュアンスの解釈です。スピーキングも踏まえて覚えておかなければいけないことは以下2つです。

  1. 話すとき,自分の意識が「will:自分の意思(予想)」もしくは「can:主語の可能性」のどちらに向いているのか?
  2. 頭の中の映像が「事実(実現可能性大)」なのか,「想像」なのか?

 最後に,なぜホストマザーが「一緒…」と答えたのか以上を踏まえて考えたいと思います。それは,おそらく主語の意味に依存するのではと考えています。例えば,あるビジネスの計画があって,修正を加えればもっと良くなりそうだというとき,The plan would be better / The plan could be betterのどちらでも言い表すことができそうだからです。wouldは話者の未来の想像,couldはplanに焦点が当たって,plan自体が良くなる可能性を含んでいるというニュアンスです。つまり,きっと僕の質問の仕方が悪かったのでしょう…。

 このように考えると,仮定法以外にも事実じゃなく,単純に想像したことを伝えるときはwould,couldが使えそうだなとなってくると思います。

 読んだだけではふ〜ん…で終わってしまうと思うので,ぜひ独り言で英語をいうときに,頭の中で描いたことが事実(実現可能性が高い)のか,ただの想像なのか,意識して捉えながら話してみてください。使いこなすには日本語を思い浮かべるのではなく,この映像・ニュアンスを表現したいときにwould/couldを使うんだと,自分の頭の中で一致させる努力が必要になります。続けていけば,少しずつ感覚をつかめてくるはずです!

 

参考に慣れば幸いです。それでは!