5文型なんて要らない!斬新な考え方②

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こんにちは,前回の続きです。

 今回の記事の目的は「日本語を介さずに英語を場面で捉える」ためのコツを紹介するということです。まず,そのコツの基本として「場面と照らし合わせた文章構造の把握」を前回の記事で紹介しました。

それは,英語の文章は以下のような特徴があるということです。

  1. 「主語に関係の近いものから順番に述べられていく」「対象(目的語)が一番最後に述べられる」
  2. 「SVのセット」が連なって文章が構成される

 これらの条件には,文章の最後に「主語の動作の対象(目的語)」があるということでした。しかし,英語には他に「対象(目的語)が2つ存在する」場合と「Vの後ろに主語の状態説明をする形容詞がくる」場合の2通りがあります。4文型と2,5文型とかですね。

 それでは,この2つの場合にどうすれば英語を場面で捉えやすくなるのか考えたいと思います。

 対象(目的語)が2つ存在する場合

 簡単な例として「彼に本をあげた」という場合を考えます。

 英語はI gave him the book.となりますね。

 それでは,the bookを「〜を」と考えずに,場面を理解する僕の考え方を紹介したいと思います。それは,対象(目的語)が二つ存在する場合は「S'という主体がもう一つの対象を所有している」と捉えることです。「have」がS'とOの間に隠れているような感じです。

 そうするとI gave him the bookの場合,「彼に本をあげた」と訳してから場面を捉えるのではなく,まずI gaveであげたんだなと。その後にhimがthe bookを持っているんだなと捉えてみてください。日本語に訳さずにすごくイメージしやすくなりませんか?他にもI sent you the emailのような文章でも「youがそのemailを持っている」と捉えれば,sentの「送る」なんて気にしなくても「youにメールがきたんだな」とイメージしやすくなると思います。ぜひこれを意識して,他の文章を読んでみてください。

(余談ですが,I gave the book to himとなる場合がありますが,これは「the book」がすでに会話の中で出ており「その本を彼にあげたんだ」という場合です。英語では,新情報を後ろに置く傾向があるので,対象(目的語)が旧情報か新情報かで使い分けられています。)

SV/V'の後ろに形容詞が来る場合

 先に述べますが,形容詞が後ろに来る場合は,基本的にその前にbe動詞が先にきます。この場面を捉えやすくするコツとしては,be動詞も同様に「所有している・持っている」と捉えることです。対象が二つ存在する場合と似ていますね。比較的覚えやすいかなと思います。

 どういうことか簡単な例でみていきましょう。

 例として「彼女は美しい」という場合を考えます。

 第二文型でbe動詞を使って,She is beautiful.と表現されます。Vをbe動詞と考えれば,SVのセットとなり,またbe動詞を「持っている」と捉えると,「beautiful」を対象と捉えます。そうすると,彼女はbeautifulを持っているだなと,つまり美しいんだとなります。この文章は簡単ですので,わざわざこのような捉え方をする必要はありませんが,一応参考として記載しました。

 次に「あれのせいでめっちゃ緊張した」という場合を考えてみます。

 第五文型でThat made me nervous.と表現されます。ここでは,SV + S + 形容詞となり,SV+S'V'+…の関係とは異なっており,V’のbe動詞が省略されていることがわかります。

 よって,このケースではbe動詞が隠れていることがわかるので「S'という主体が形容詞を所有している」と捉えてみてください

 そうするとThat madeに関係なく「meがnervousを持っている」,つまりthatが云々に関わらず,とりあえず「meがnervousになっている」ということがすぐに場面としてイメージできそうです。こちらもコツを意識して他の文章を読んでみてください。日本語を考えずに場面をイメージしやすくなるかと思います。

SVとS'V'の関係性

 最後にSVとS'V'の関係性について考えたいと思います。これを知っておくと場面のイメージがとてもしやすくなります。

 例として,I got my tooth pulled.を考えみたいと思います。

 意味は「歯を抜いた」になります。正確には「歯を抜いてもらった」になります。もし,I pulled my toothと表現した場合と何が違うのでしょうか。それは,対象(目的語)の動作が「主語による直接的な行為による」ものか「主語の行為により間接的に起こった」ものかということです。

 具体的にみていきましょう。

 I pulled my toothの場合,my toothを抜いたのは主語の「I」になります。つまり,私は直接的に手を加えて,歯を引っこ抜いたという状況ですね。とても痛い状況です。

 一方で,I got my tooth pulledの場合,my toothを抜いたのは主語の「I」ではありません。これは「I」が何かをしたことにより,間接的にmy toothがpulledされたということが示されています。ここでは,おそらく歯医者に行って,歯を抜いてもらったという状況が考えられます。「I」が歯医者に行くという行為によって,間接的に歯を抜くという行為がされるということですね。

 整理しますと,SV+S'V'の関係は「SVの行為によって,S'V'が間接的に起こる」ことを示しています。つまり「S'V'の動作にSの手が直接加わっていない」ということです。

 他の例をあげてみると,I am getting my house built.など会話で使われることがあります。これは家を建てている状況ですが,私が家を建てているのではありません。ニュアンスとしては,家を立てているのは私でなく,お金を払って建設会社に立ててもらっているようなニュアンスです。

 また他の例では,I kicked the door open. があげられます。これはthe doorがopenという状況を持っている(S'が形容詞を持っていると考える)のは,Iがkickしたことにより間接的に起こったと捉えられます。つまり,訳は「蹴ってドアを開けた」になります。5文型なんて考えなくても,色々な文章に対して,この考え方を適用することができます。

まとめ

最後に整理てみました。この3つをしっかり覚えて英文を読むようにすれば文型のことを考えずに英語を簡単に理解できるようになります!

  1. 基本①:主語に関係の近いものから順番に述べられ,主語から一番離れた位置に対象(目的語)がくること。
    Vがbe動詞の場合「形容詞を持っている」と捉える。
    (S → Oの位置関係:SからOへ「意識のベクトル」があることを理解すること。理由は,英語は日本語のように助詞がないため,位置関係で動作の向かう対象が決まっているため。)
  2. 基本②:SV+S'V'+...と「SVのセット」が連なって構成されている。
    – 基本的に,SV+S'V'の関係は「SVの行為によって,S'V'が間接的に起こる」と捉える。つまり「S'V'の動作にSの手が直接加わっていない」ということ。
    (例外)知覚動詞を使う場合においてのみ「S'V'が間接的に起こる」という考え方は該当しない。例えば,I see him reading the bookのような文章。これはSVとS'V'が独立して行われているとみなす。
  3. 応用:V'が対象(目的語)もしくは形容詞になる場合(文型では4文型のSVO1O2,5文型のSVO1Cの場合を指します)
    「S'という主体(前の対象)がもう一つの対象(後ろの対象)を所有している・持っている」と捉える。ここでは基本②のSV+S'V'の形に揃えるためO1をS'と置き換えています。

 長くなりましたが,以上が文型なんか気にせず英語を場面で捉えるコツの紹介になります。ぜひ,一つでもいいので試しに意識しながら英文を読んでみてください。慣れてくるとイメージが浮かびやすくなると思います!

参考になれば幸いです!それでは。