【文法】名詞に係る目的を表すtoとforの違い
こんにちは。
目的を表すtoとforの違いについて,僕の解釈を紹介したいと思います。
そもそも「違いってなんだ?」と僕たちが迷う場合は,to不定詞とfor 〜ingを比べた場合に限ると考えています。
forは後ろに名詞を持つことができ,固有名詞などの一語で表せる場合と動詞ingがくる場合の二つに分けられます。forの後ろが一語の場合は比較的理解がしやすいのですが,動詞ingがくると「ん?」となります。
よって,ここでは「名詞に係るto不定詞とfor 〜ingの違い」を紹介します。
結論として僕が考える二つの違いは
「話者の頭の中がその時点からの未来を見ているか,一般的な事象としてすでに知っている過去を見ているかの違い」
です。
例としてよく挙がっているのが以下の文です。
- To不定詞:I went to the gym to lose weight. → 痩せるために
- For〜Ving:I went to the gym for losing weight. → 痩せるためのジム
この例文の意味を頭に入れた上で,どんな状況で使われるかイメージして使ってみてください。
To不定詞の時,自分が痩せるという目的を持ち,あなたの意識は未来へ働き,for〜ingの時,ライザップのようなCMで痩せられると知っているジムを思い浮かべ,あなたの意識はそのCMを見た過去へ意識が向いていませんか?
ここで「過去を見る」ということは,すでに起きて誰でも知っている現象と捉え「一般論」として説明されることがあります。
他の例としても,以下の文があります。
- the enzyme to repair the damage
- the enzyme for repairing the damage
もうすでにお分かりかと思いますが,to不定詞は,単純にあなたの意識がその時点から未来に向いている状態,forはすでにその酵素の働きが解明されて常識として知られている(誰もが知っている)過去へ向いている状態になります。
また,以上の感覚がつかめれば,以下の例文に違和感があるのがわかると思います。
- He bought the screwdriver for fixing his car.
forを使った場合,「そのドライバーを使って車を直す」出来事が誰にでも起こる一般的な出来事として捉えられているという場合になります。普通は,一つ決まったドライバーを使って車を直すことを誰もが知っている一般的な出来事ではないですよね。一人一人使う工具は異なるものだと思いますので,forを使った場合はそこに違和感が生じます。よって,ここの意味は,その時点から見た一時的な出来事に当てはまるのでto不定詞が正しくなります。
ちなみに,このようなニュアンスの違いがありますが,ネイティブに確認したところ意味はどちらでも通じますし,書き手の好みによって変わるということなので,そこまで神経質に考える必要はないそうです。
以上をもう一度整理すると,目的という意味において
- to不定詞:話者の頭の中が「未来へ向いている(個人的,一時的な目的)」
- for 〜ing:話者の頭の中が「誰もが知っている過去の出来事へ向いている(一般論として認知されている目的)」
となります。
ぜひ,このイメージで自分が話すときに使い分けの訓練をしてみてください。そうするといつかしっくりくるようになると思います。
forは本当にたくさんの意味が存在します。今回の「話者の意識が過去(すでにある出来事)へ向いている」という捉え方はおそらくこれだけですので,forの中でも一つの例外として覚えておけば良いと思います。一般的にforはtoに似ており,何かに先に向かっているというイメージを持ちます。それについても別の機会に書ければいいかなと思っています。
それでは!