メモ魔になろう! 〜 メモの魔力 〜

起業家でSHOWROOMの社長である前田裕二氏が書かれた「メモの魔力」を読んでみました。

仕事でメモをとるけどただ聞いたことを書くだけ,別に見直すこともなくそのまま時が経ち,ゴミ箱に捨てる…そういった経験を皆さんもお持ちじゃないでしょうか。僕は仕事をしていた時,かなりこのようなことをしてしまっていました。聞いたことをただ書くだけ,つまり頭を全く使っていなかったわけです。

社会人となればアウトプットを求められるため,あらゆることから「考える」という行為をしなければいけません。では「考える」とは一体何か?

本書では「メモをとる」という作業からどうやって「考える」つまり「思考を深めていく」のか,実践方法も含めて紹介されていました。「考える」って何かな?などもし悩んでいる方がいれば,気づきを与えてくれる有用な本だと思うのでぜひ読んでみてほしいと思います。 

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

 

「ファクト(具体) →  抽象化 → 転用」という素晴らしいメモ構造

メモの取り方として,3stepの取り方が本書では紹介されていました。その中身を一つずつ紹介したいと思います。

ファクト(具体)

ファクトとは,その名の通り事実になります。あなたが見たもの,聞いたもの全てが事実としての情報となります。この事実をまず最初にメモする必要があると述べられています。

僕たちは多くの事実に囲まれながら生活していますが,多くの人がその事実を深く捉えずに過ごしてしまっています。例えば,Appleが新しい製品を出した。かっこいい欲しいな。このまま通り過ぎてしまっては,何も意味がありません。ここでなんでAppleはその新製品を作ったのか?どんな新製品が人を惹きつけるのか?なんで自分はかっこいいと思ったのか?その事実の深掘りをしてこそ,意味を成します。

First stepの「ファクト」を捉えるために「好奇心:常に疑問を持つこと」が必要だと感じています。「なぜ?」と考えることは社会人で最初に叩き込まれる思考法ですが,「ファクト」を掴むためにこれからどんなことにでも「常になぜ?」とアンテナを立てて,事実としての情報をメモすることを心がけていきたいと思っています。

抽象化

本書において一番重要な部分がこの抽象化です。ファクトを元にそれを抽象化していく作業が2step目になります。

僕たちは「なぜ?」と深掘りすることには自然と慣れているのですが,そこから抽象化するということをあまりしていない気がします。僕は前職では特にそうでした。今考えてみると,その理由は「転用」の部分と重複しますが,自分の課題が明確ではなかったからだと感じています。

さて,抽象化とは何でしょうか。本書では「本質を考え,汎用性を高めること」と紹介されています。では本質とは何か?それは「あらゆる事象に共通する点」だと僕は捉えています。つまり「一般化できること」と言えるでしょうか。

例ですが,お菓子を売るときに「限定」という言葉をつけるとよく売れるといった場合「希少性が購買欲を刺激する」といったことが予想できると思います。お菓子だけじゃなくても,他の商品についても「限定」という言葉で売り上げが変わるのであれば,この「希少性が購買欲を刺激する」という考えがあらゆる商品に共通する点だとわかります。つまり,この共通点こそ,本質であり,この共通点を見つけることが抽象化だと僕は考えています。

この抽象化の方法,共通点を探す方法として「what型(グルーピング)」「how型(どんな特徴?)」「why型(何で?)」と3種類の方法が紹介されています。なるほど!と僕は思ったので,ぜひ興味ある方は読んでみてほしいなと思います。

余談ですが,本書を読みながら抽象化で思い浮かんだのが,少し前に売れた芸人のねずっちです。謎かけが得意な人は,この抽象化が上手なのではないかなと読みながら勝手に思っていました笑

転用

いよいよ最後のstepの「転用」です。これは抽象化した内容を異なる事象に当てはめることを指します。これは上記の例ですが,お菓子の「限定」という作用で気づいたことを,自分が今売ろうとしている商品に当てはめてみるといったことを指します。

ここでの問題点は,そもそも自分が課題を持っていない限り,当てはめるものがないということです。例えば,自分の商品を売りたい!といった課題がない場合です。つまり自分自身の「解くべき課題」を明確に持っているかどうかが転用において極めて重要にあります。

先に述べましたが,僕は働いているとき自分の解くべき課題を明確に持っていませんでした。そのため,抽象化もしなかったし「考える」という行為を十分にできていなかったような気がしています。反省です。。。

本書を読みながら,社会人として「今していることを改善するにはどうしたらいいのか?」という課題がかなり汎用性が高く,色々な方にも当てはまるのではないかなと思ったので,僕自身これを一つの課題としてメモ魔になろうと思っています。

まとめ

本書はとても読みやすく,スーッと頭に入ってくる感じで,読んでいて楽しかったです!またメモによって思考を深めるには「ファクト → 抽象化 → 転用」という3つのstepを踏む必要があるということで,これは今まで僕が知らなかったメモの取り方なので,新たな気づきを得られて本当に読んでよかったです。しかも,すぐにでも実践できそうなところがさらに良いところだと思います!

さてさて,早速メモ帳を買ってこようと思っています(笑)実践する上でも,先で述べたように「何で?どんな?」と意識しながら身の回りの色々なことに興味を持っていきたいと思います。